藤原宮跡

大和三山は、奈良県橿原市にある天の香久山・畝傍山・耳成山の三山です。

畝傍山(199.2m)香具山(152m)耳成山(139m)とどの山も低いので、大和三山を回遊するハイキングも人気です。

見る場所によって姿の変わる三山を眺めながら歩き、頂上やその周辺からは他の山や町並みを見るのも楽しめる、軽いハイキングです。

大和三山は、それぞれの美しさもあり、万葉集では、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)が大和三山の争いを詠んだ有名な歌が残されていたり、古くから愛されている山です。

また、日本で初めての本格的な都であった藤原京の藤原宮跡(ふじわらきゅうせき)は大和三山に囲まれる地にあります。

大極殿跡のある北を向けば耳成山、西南を向けば畝傍山、東南を向けば香久山があります。

コスモスの時期の藤原宮跡から大和三山を見たらこんな感じです。

天の香久山
大和三山

耳成山

大和三山

畝傍山

大和三山

持統天皇により遷都された藤原京は持統天皇8年(694)~和銅3年(710)まで16年間、持統、文武、元明天皇3代にわたる都だったことろです。

なかでも香久山は”神が天降る 山”とされ、神聖なる“天”の香久山として崇められ尊ばれてきて

持統天皇の読まれた

春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香具山 は小倉百人一首でおなじみです。

大和三山と万葉集

万葉集では、持統天皇の父、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)のちの天智天皇が大和三山の争いを詠んだ有名な歌が残されています。

「香具山は 畝火ををしと 耳梨と 相あらそひき 神代より 斯くにあるらし 古昔も 然にあれこそ うつせみも 妻を あらそふらしき」

香具山は 畝傍山をいとしいとして 耳成山と相争った。 神代から こうであるに違いない。 いにしえも そうだったからこそ 今の世の人も 妻を 取りあって争うらしい。

香具山は 畝傍山を男らしい者として 古い恋仲の耳成山と争った。 神代から こうであるらしい。 昔も そうだからこそ 現実にも 愛するものを 争うらしい。

どれが男性で女性なのかについては諸説ありますが、香久山と耳成山はライバルで、畝傍山を取り合うのは一緒です。

この歌は、香久山と耳成山は畝傍山をめぐって争いをしていたと歌っていて、まさに三角関係!? 本当にあった三角関係をほのめかしているようです。

大和三山が神代に恋争いをしたという伝説に、額田王をめぐる天智天皇(中大兄皇子)と弟の天武天皇(大海人皇子)との三角関係を想像する説もあります。

大和三山ハイキングコース

大和三山の山麓の史跡や社寺を巡り、藤原宮跡から三山を眺めるお薦めのハイキングコースも人気です。

それぞれは

耳成山駐車場⇒25分⇒山頂⇒20分⇒耳成山駐車場
天香久山登山口⇒15分⇒山頂⇒10分⇒天香久山登山口
橿原神宮⇒25分⇒山頂⇒25分⇒畝火山口神社

と、手軽な登山?なので、1日に三山を回遊するハイキングも可能です。

橿原神宮にお参りして始まる、近鉄の大和三山回遊コースは
橿原神宮前駅~畝傍山~香久山~藤原宮跡~耳成山~大和八木駅(または耳成駅)となっています。

が、山々を結ぶ道は特に魅力的ではないのと、それぞれ、駐車場があるので車での移動が便利でおすすめです。

もし、何度も来る機会があれば、1つの山とその周辺をそれぞれじっくり楽しむことをお勧めします。

特に、天香久山は古代人には天から天下ってきた聖なる山として敬っていてパワースポットとして人気があり、

山頂には国常立神社(くにとこたち)、南麗には天岩戸神社、南腹には上ノ御前・下ノ御前、北東の山腹には天香山神社と見どころは満載です。

春の桜のころは、それぞれ素敵な風景を見せてくれます。

大和三山の位置とビューポイントは?

大和三山を見る一番のビューポイントは最初の写真でお見せした中心にある藤原宮跡からの眺めだと思います。

また、三山を同時に視野に入れるには一つは大神神社から歩いて5分ほどのところにある大美和の展望台です夕景に浮かぶ大和三山は素晴らしい

大和三山
大和三山

葛城一言主神社から葛城古道を九品寺方面へ徒歩8分
葛城古道沿いに石碑があります。
ここから九品寺方面へ少し歩くと休憩用の東屋があり、大和三山が見渡せます。

こちらの写真は、極楽寺から見た橿原の風景です。
大和三山

天の香久山

古代より神聖な山として、信仰の対象。
北東の山腹にある占いの神を祀る天香山神社には、「大嘗祭(だいじょうさい)」に献上され、占いに使用されるご神木もあります。

南麗には天岩戸神社があり、天照大神の岩戸がくれの伝承がある。天照大神の弟・素戔嗚尊(すさのおのみこと)の乱暴を怒った天照大神は岩戸に隠れ、世界は闇になった。その岩戸隠れをしたといわれている場所にこの神社は鎮座するという。4つの巨石があり、天照大神が幽居していたとされる岩穴がご神体。神殿はなく拝殿のみです。

大和三山

神社には、毎年新しい竹が7本育ち、その一方で別の7本の竹が枯れ死するという「7本竹の不思議」が伝わるそうです。

アクセス:近鉄大阪線耳成駅下車から徒歩で30分・JRまほろば線香久山駅下車から徒歩で20分

畝傍山

大和三山では一番高い山です。周囲には、畝傍山は初代の神武天皇とゆかりが深く、橿原神宮や神武天皇陵など名所旧跡が点在しています。

大和三山

大和三山

アクセス:近鉄橿原神宮西口駅から徒歩約10分、近鉄畝傍御陵前駅から徒歩約11分、近鉄橿原神宮前駅から徒歩約17分

耳成山

耳成山は山の形がどの方向から見てもきれいな円錐形で耳成(余分なところがまったくない)というネーミングがついたのだとか。中腹に耳成山口神社があり、南麓に桜の美しい耳成山公園があります。
耳成山

耳成山

アクセス:近鉄アクセス:近鉄耳成駅から徒歩約12分、近鉄大和八木駅から徒歩約15分、JR畝傍駅から徒歩約16分